トヨタ車リヤコンビネーションランプの変遷
トヨタ高級セダンでは、1960年代の途中から長い間、リヤコンビネーションランプ
(尾灯、制動灯、方向指示灯など一体の後方用ランプ)は水平基調、左右一体の
横一直線デザインを採用していた。
中央にナンバープレートが入る場合もあるが、それも含めて一体に見えるデザイン。
古いアメ車のイメージだろうか。
これに対して、ベンツやBMWでは古くから、左右のユニットを分離して両端に
配したレイアウトであった。
トヨタ高級セダンも、ある時期から欧州車寄りのデザインに変わっていく。
1991年、1995年のクラウンは、中央にナンバープレートがあるが、プレートの
上側で左右のランプがつながっている。
1992年マーク2に至ってはナンバープレートが下に離れているので、
リヤコンビネーションランプは完全に横一直線。
これが、1996年のマーク2では左右に分かれる。
しかし、相変わらず水平基調はキープで、分かれ方も中途半端。
1999年クラウンではプレート上部のつながりはなくなったが、それでもプレート
を含めて左右一体デザインのまま。
このあたりはマーク2よりさすがに保守的。
2000年マーク2は、左右分離が進んでシルエットは欧州車並になるが、その中に
強い水平ラインを残しているのは、こだわりなのか。それとも水平派の断末魔か。
そしてついに、2003年クラウンにおいて、完全に左右分離となった上、水平への
こだわりも捨て、欧州車同等のテールデザインとなり、今に至る。
1996年マーク2が大きな変換点だった。いかにも移行の途中という感じで、
トヨタの迷いを感じるデザイン。面白い。