宗教における保守と革新
カトリックとプロテスタント、スンニ派とシーア派、曹洞宗と臨済宗。
その成り立ちは違えど、類似点が見られる。
カトリック教会の腐敗に対するプロテスト(抵抗)というカタチで
生まれたプロテスタント。
そこから更に分裂を続け、今や世界中に数多くのプロテスタント系
の宗派が存在する。
一方、カトリックはというと、ずっとバチカンを頂点とする一枚岩
のピラミッド組織のまま。
聖職者の婚姻禁止など、教義や戒律という面で、
カトリックの方が原点に近い。
4代目カリフであるアリーを支持するシーア派には、
イスラム創始時の伝統を守る。
だが、日本においては曹洞宗が永平寺・総持寺を頂点とする一つの
組織であるのに対し、臨済宗には独立した多くの宗派が存在する。
ただ座るのみ。
スンニ派の考え方に何と似ていることか。
既存の組織に疑問を感じてそこを飛び出した人たちは、
そこから更に違う考えを求めて、次々と新しい組織を作るのだろう。
残った人々は原点に留まって伝統を守り、変化を求めない。
宗教でも、その他の組織でもそれは同じ。
保守と革新はいつの世も存在する。