単独(ひとり)で事故れ!

ユダヤが悪者にされた経緯 聖書の書き換え

エスユダヤ教の洗礼を受けたユダヤ教徒である。

 

しかし、ユダヤ教の律法から外れ、突拍子もないことばかり言った。

 右の頬を張られたら左の頬も出せ。汝の敵を愛せよ。神の国は近づいた。

古いユダヤ教徒は異端として白い目で見た。

 

ローマ帝国はそれに留まらず、人々を扇動していると危険視して、ついに彼を葬った。

十字架磔はローマ帝国の刑罰。殺したのはローマ帝国だ。

 

エスを信じていた人々は、彼の死後もその教えを守った。

ローマ帝国から迫害された続けた。

その間、キリスト教徒にとってローマ帝国は敵であった。

 

悪魔の数字666は、ローマ皇帝ネロを暗喩する数字。

苦しい生活の中、この世の破滅と自分たちの再生を願って黙示録が書かれた。

 

しかし、400年の後、キリスト教はついにローマ帝国の国教となった。

もう敵ではない。

666という数字の意味や黙示録に込められた思いは忘れられた。

 

だが、イエスを殺した相手は明確にしておく必要がある。

処刑されたのは事実だから。

今までは、それはローマ帝国であった。

 

しかし、国教となったからにはローマ帝国を悪者にはしておく訳にはいかない。

誰か適当な相手はいないか。

罪を擦り付ける相手が・・・

未だにイエスを認めていないユダヤ人。彼らこそ敵として相応しい。

 

こうして、ユダヤ人の苦難が始まった。

ローマ帝国から追放され、世界中に離散した。

 

聖書の記述も書き換えられた。

実際に手を掛けたのがローマ人という事実は変えられないが、

その原因を作ったのはユダヤ人。

エスの死に対する責を負うのもユダヤ人であると。

 

権力者によって歴史は作られる。